山形県内の自治体は、人口の減少や若い世代の県外流出などから、技術職を中心に職員の人材確保が課題であり、山形県庁を始めとする、山形県内の自治体が令和5年度の職員採用試験において、採用年齢制限を緩和しました。

具体的に山形県庁では、社会人のUターンやIターン人材に向けて、行政(ICT)、行政(国際・観光)、総合土木、林業等の職種について39歳までとしていた年齢制限を60歳までに引き上げました

この他に山形県内の自治体の多くが以下のように年齢制限の緩和を行っています。

  • 鶴岡市(土木、建築、電気):39歳から60歳までに
  • 上山市(土木、建築、電気):39歳から59歳までに
  • 庄内町(保健師):30歳から40歳までに
  • 最上町(行政、土木、保健師):34歳から39歳までに

山形県庁に続き、多くの山形県内の自治体が、次回の採用試験では年齢制限を緩和する動きがみられると考えられます。

山形県庁から学ぶ職員採用のポイント
  1. 年齢制限の緩和を思い切って60歳までとした
  2. 年齢制限の緩和で応募者が増加
  3. 採用が困難な土木職の応募も増加

山形県庁の採用募集結果を確認

大幅な年齢制限の緩和を行った山形県庁の令和4年と令和5年の採用募集結果を比較してみます。

行政(社会人経験者)は、申込者数3名の減少となりましたが、行政(ICT)、総合土木(社会人経験者)は申込者数が2名~4名程度増えていることが分かります

 令和4年度の山形県職員選考試験実施状況(39歳まで)

区分 申込者数 1次試験
受験者数
合格者数 倍率
行政(社会人経験者) 19名 15名 1名 15.0倍
行政(ICT) 1名 1名 1名 1.0倍
総合土木(社会人経験者) 1名 1名 1名 1.0倍

出典:令和4年度の山形県職員選考試験実施状況(web.archive.org)

 令和5年度の山形県職員選考試験実施状況(60歳まで)

区分 申込者数 1次試験
受験者数
合格者数 倍率
行政(社会人経験者) 16名 14名 1名 14.0倍
行政(ICT) 3名 3名 1名 3.0倍
行政(国際・観光) 3名 3名 0名
総合土木(社会人経験者) 5名 5名 1名 5.0倍

出典:令和5年度の山形県職員選考試験実施状況

まとめ

自治体の採用試験における年齢制限の緩和は、一定の成果(募集人数の多少の増加)は見込めるものの、大幅な増加は期待できない様子です。

また、年齢制限の緩和を継続して行うことで受験者に対して認知度が向上することとなるため、継続する必要もあるでしょう。

       
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